忘れ物をしていた。
このブログだ。
さて、
作家という人種には逃亡癖があるそうだ。
締め切りのプレッシャーに耐えきれず、ある日、忽然と消えてしまうらしい。
実際、僕自身も、そういうところにしばしば直面する。
目の前の障害の高さに、逃げる確率の高さが比例するということは容易に想像がつく。
例えば、1メートル幅のどぶを飛び越えるのか、強風が吹き荒れる中、20階建てのピルの屋上から、となりのビルまでの間3メートルを飛び越えるのか、後者の場合、ほとんどの作家が逃げるだろう。
だらしがない。
傑作はおおよそ、どぶの向こうではなく、強風が吹き荒れる時、となりのビルの屋上に待っている。
普通に考えれば、3メートルなど、たいした幅ではないではないか。僕からすれば、小学生の時に体育で飛んだ記録さえ下回っている。
違いは砂場かビルの屋上かというだけだ。
確かにプレッシャーという厄介ものが、人間の持ち合わせた能力を半減させ、思わぬ悪結果をもたらすということは知っている。さらに強風も吹いているならば、飛び越えられる可能性は極めて低い。つまり、こういう場合は、逃げるという選択が正しい。よく考えれば、わかりそうなものだ。したがって簡単には傑作にありつけないという結論だ。
しかし、その傑作が向こうのビルの屋上にあるというのが確定的なら、一度、地上に降りて、隣のビルのエレベーターで上がるという手段があるのではないか?
そういうことではないのか?
そういうことだ。
間違いない。
これが僕だけの、傑作にありつく方法だ。
問題点があるとすれば、この例え話を、実際のモノづくりに、どうやって当てはめるのか?だけだ。